安全で快適な住まいの為の配慮
人は年をとると、身体の機能が低下し、住宅の中でも思わぬことが原因で、様々な事故が発生します。
これからの住まいlま、不便や危険性のない「高齢者にやさしく家族全員にやさしい住まい」にすることが大切です。若いうちから、将来のことを考えて準備しておきましょう。
右の表はある病院で昭和63年1月から平成5年5月までの間に、住宅内で起こった事故・骨折(下の表)により、通院入院した患者の調査です。
生活をより豊かにする住まい
- 家族にとって安全である
子供からお年寄りまで、家族のみんなが、家の中で快適に生活でき、滑って転んだりすることのない安全な住まいにしましょう。 - 年を取っても、自立でき介助が受けられる
年をとってもできる限り人の手を借りずに自立した生活がおくれるような住まいにするとともに、万が一手助けが必要になっても、今までの住み慣れた住宅で介助が受けられるように準備しておくことが必要です。 - 将来のことを考えた住まいにする
住まいは、家族の30年後や、自分が年をとった時のことを考えて、間取りなどが後からでも必要に応じて、大きな手を加えなくても変更できるように準備しておくことが必要です。 - 操作性が良く、使いやすい
住まいは、ドアの開け閉めや、浴室・便所・台所など、誰もが使いやすいものでなければなりません。 - 地域と交流できる
年をとると、外出がめんどうになり、家の中に居る時間が多くなりがちです。
これからの住まいは、出入りしやすいようにするとともに、部屋から直接庭へ出たり、外の人と会話ができるようにしておきましょう。
気を付けること
- 動きやすい住まい
●部屋と部屋を行き来しやすいよう工夫しましょう。
●段差はなるべくなくしましょう。
●出入口の幅は広めにとりましょう。 - 使いやすい住まい
●立ったり座ったりしやすいよう手すりをつけましょう。
●家事がしやすく、収納が楽なよう工夫しましょう。
●寝室は将来を考えるとベッドが楽です。 - 過ごしやすい住まい
●冷暖房時に湿度差の少ない家にしましょう。
●色や素材に工夫し、ぬくもりのある家にしましょう。
●緊急時に対応できるよう、備えをしておきましょう。 - ゆとりと可変性を持った住まい
●将来のことを考えて、可変性のある間取りにしましょう。
●介助などを考えて、広さにゆとりを持たせましょう。
●車いすの利用を考えておきましょう。
住まいづくりのポイント
- 「動線」「外部とのつながり」「将来のこと」を考えた間取りにする
- 転倒事故などを防ぐため、段差はなくす
- 「歩行の安全」「立ち座りの補助」「とっさの時」のために手すりを設ける
- 将来の介助や車いす利用のことを考えて、開口部は広くしておく
- 見分けやすくするために色と色の組み合わせや使う色に注意する
- 急激な湿度変化は危険なので、温熱環境に配慮する
- 照明は十分に明るくし、足元に影ができないよう設置場所に注意する
- 緊急通報装置など、万が一の場合への備えをする